信じ切る

信じ切るということ

こんにちは、マスターです。このチャンネルでは、「人生はうまくいくようになっている」「どうせうまくいく」そんな話をしていきたいと思います。今日は「信じ切る」というテーマでお話しします。


インドという異世界

私が家族を連れてインドに行ったときの話です。

インドと聞くと、「人生観が変わる」とよく言われます。それは、日本の常識が通じない世界だからです。実際にインドへ行くと、まさに別世界。価値観が揺さぶられるような出来事にたくさん出会いました。

「正直者はバカを見る」と言う言葉がありますが、私はそうは思いません。正直であることは素晴らしいこと。ただし、「バカ正直」だと危険な目に遭うこともあるのです。

そんな話を、つい最近聞きました。コロナが明け、海外旅行が増えている今、外務省が注意喚起のために話していたエピソードです。


旅人を襲うインドの罠

ある旅行者がインドの空港に到着し、タクシーに乗りました。すると運転手が言いました。

「クーラーが壊れているから窓を開けてね。でも、冷たいジュースがクーラーボックスにあるから、よかったら飲んで。」

親切な運転手だなと思い、旅行者はそのジュースを飲みました。しかし、次に気づいたときには、町のどこかに放り出され、身ぐるみを剥がされていました。慌てて外務省に駆け込んでくる旅行者が後を絶たないというのです。

日本の常識で考えれば、親切な人の差し出す飲み物を受け取るのは普通のこと。でも、海外では違います。飲み物には強烈な睡眠薬が入っていたのです。


信じ切るとは?

そんな話を聞いて、ふと思い出したのが、私自身のインドでの経験でした。

私はかつてサラリーマンを辞め、自分の道を探すために家族を連れてインドへ行きました。海外旅行もほぼ未経験、2歳半の子どもを連れて、行き先も定めず、まさに「無制限一本勝負」の旅。

会社を辞めると決めたときから、覚悟はありました。日本国内の住所も残さず、住んでいた家の家具もすべて売り払い、日本にほとんど何も残さない状態で旅立ちました。

初めてのインド、到着した日は混乱の連続でしたが、2日目、さらなる試練が待っていました。


タクシーの中で訪れた恐怖

インド国内線でプーナという小さな町に到着。空港からタクシーに乗り、「町のホテルまで連れて行ってくれ」とお願いしました。

最初は、何もかもが傾いている光景に驚きました。建物も、電柱も、すべてが歪んで見える。そして、裸同然の人々が道端にいる。日本では見たことのない世界が広がっていました。

ふと、「もしこのタクシーが突然止まって、周囲の人に囲まれたら…」という不安が頭をよぎりました。恐怖が一気に押し寄せてきました。

すると、突然、運転手が車を停め、外に出てタバコを吸い始めたのです。

そこは、何もない畑の真ん中。辺りは薄暗くなり始めていました。

「これはマズい…仲間を呼んで、俺たちはここで襲われるのではないか?」

私たちは後部座席に乗っており、ドアは外から閉められたら開けられない構造。逃げ場はありません。

恐怖が一気に膨らんでいきました。


すべての出来事に意味がある

その時、走馬灯のように、これまでの人生がよみがえってきました。

会社を辞めると決めた日。

家族と共にインドへ行く決断をした日。

それまでの葛藤や、不安、それでも進むと決めた自分の思い。

そのすべてが、まるで映画のように頭の中を駆け巡りました。

その瞬間、ふと気づいたのです。

「偶然ここにいるわけではない。すべての出来事がつながって、私は今、この場所にいる。」

流れの中に自分がいると実感したとき、私はこう確信しました。

「大丈夫だ。この流れの中で、私は死ぬはずがない。」

そして、恐怖が消え去り、私は心の底から「信じきる」ことができました。

それを待っていたかのように、運転手はタバコを消し、何事もなかったかのように車を発進させました。

結局、彼はただタバコを吸うために車を停めただけだったのです。


信じ切った先に

あの瞬間こそ、インドの旅の分岐点でした。

信じるのではなく、「信じ切る」。

恐怖に包まれたとき、「大丈夫」と心から言い切れるか。

この流れに身を任せられるか。

あの時、私は信じきりました。

それからのインド生活も波乱万丈でしたが、大きな出来事を乗り越えられたのは、あの瞬間があったからこそ。

これからも、皆さんに「人生はうまくいくようになっている」「どうせうまくいく」そんな話をしていきたいと思います。

ありがとうございました。

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